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カテゴリ:ファッション

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名古屋のはずれでレディース、メンズ、キッズのセレクトショップしております。
実店舗メインに楽天、Yahoo!、おちゃのこネットを運営しております。
楽天、Yahoo!など出店した2年前あたりから急激に売上減少傾向です。
これを機会にリスタートしようと思っておりますので、今後どのように改善、運営していけば良いかご指導いただければ幸いです。 現状商品は冬物が終わり春物入荷前で少ないです。
商品構成はレディースが中心でメンズ、キッズの割合です。
楽天はのびてきております。

さて、今回のダメ出し!道場は、前回に引き続きアパレルのお店です!

実は、正直申し上げて、私はファッション・アパレルのお店が苦手なんです。…えっ!? いまさらのカミングアウト!?…とあきれないでください(汗)

その理由は…

オンラインショップには業種を問わず共通するノウハウやテクニックがたくさんあります。商品写真をキレイにかつ魅力的に撮る、加工するなどもそうですし、ショップ内の客導線や、商品の機能や仕様、魅力を伝えるキャッチコピー、キャプション、コメントなどにも共通点は多いですね。
良い品をできるだけ安く! 等も多くの商売に共通した正攻法だと思います。

でもファッション系のお店の場合、こうした「正攻法」だけでは通用しないことが多いんです。それどころか、くどくどした説明テキストよりも1枚のオシャレな写真で売れてしまったり、100枚の写真より有名人のオススメコメント一言でバカ売れしてしまったり…

良い品を安く! どころか、チープな素材・品質・機能でもブランド力でとんでもなく高価な価格なのに大人気! なんてことがよく起こるのです。

例えば…
無名のブランドの革雑貨メーカーさんが、良い素材の革を使ってスタンダードなデザインの多くのポケットやカード入れのある財布を作って5000円で売るよりも、

海外セレブが愛用していて、パリやビバリーヒルズに直営店のあるようなブランドがチープなビニール系素材で中国で大量生産して製造原価は数百円じゃない? と思うような財布が数万円! でもファッション雑誌などで取り上げられ、日本でも芸能人、著名人がブログで紹介! なんてことになれば無名の財布の何百倍、何千倍もバカ売れ!

なんてことが当たり前に起こる業種だからです。

もちろん商売であり、ビジネスであり、そういうブランドメーカーさんも一流のデザイナーに大金を払ってデザイン開発をしているでしょうし、ショーやイベント、広告宣伝にも巨額の費用を使って努力してきた結果なのですが…

それが「ブランド」「ブランド力(りょく)」なのです。

その「ブランド力」の影響が、オンラインショップのノウハウや小手先のテクニックなどよりもはるかに大きく表れやすいのがファッション・アパレル系のお店なのです。

言い換えれば、私がどんなに知ってるノウハウを注ぎ込んでダメ出しし、それをお店がすべて受け入れて改善したとしても…

商品やお店にブランド力が不十分なら、その効果は業績に影響しにくい…そういう傾向の強い業種だからなのです。

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少し、目線を変えて考えてみましょう。

例えば…

私の地元兵庫県川西市を例に…

「川西市を中心に伊丹市、川辺郡猪名川町〜お隣の大阪府池田市、箕面市などに5店舗を展開するセレクトショップ! ハイセンスな海外からのセレクトで地元の女性たちに大人気!」

というお店と、

「イタリアはフィレンツェの工房からNY、LA、パリ、ミラノ、ロンドン郊外の小さな5店舗の直営店を運営するセレクトショップ。地元セレブたちだけでなくモデル・女優さんなどに愛される隠れ家的なお店」

同じ企業規模で、同等の品揃え、同じようなセンスのホームページで運営していたとして、どちらのオンラインショップが売れると思いますか?

この例ではあえてブランド名などは設定しませんでしたが…

それでも兵庫県川西市や大阪府池田市とイタリアのフィレンツェ、パリ、ミラノではファッションという業種において与える影響度に歴然たる差がありますね。地名にもブランド力がある! ということです。

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ちょっと横道にそれますが…これはファッションだけではありませんし、必ずしも都会が有利でブランド力があるというものではありません。

例)
・すし店
兵庫県川西の寿司店
東京銀座の寿司店
北海道小樽の寿司店

同じ寿司店でもイメージが違いませんか?
まだお店の規模も、商品もメニューも、価格も何も知らされてなくても、頭に思い描くイメージが全然違ってきませんか?

・梅干
兵庫県川西の梅干
紀州和歌山の梅干
福井県の梅干
東京新宿区の梅干

スーパーに同じg数、同じ値段で並んでいたら…

ダントツで紀州和歌山の梅干が美味しそうと思ってしまいませんか?
川西や新宿に梅干業者があるかどうかは不明ですが、ものめずらしさはあっても美味しそう! とは感じにくいですよね(^^;)
また実は福井県は梅干生産では和歌山県についで全国2位なんですが、認知度は低く、紀州和歌山の梅に比べると圧倒的にブランド力に差がありますよね…

その他、りんごなら青森、さくらんぼなら山形、日本茶や山葵なら静岡、和牛なら神戸や但馬、米沢、近江など…と商品との組み合わせ次第で地名そのものがブランドになっているものも少なくありません。

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さて話を戻しますが、ファッションの業種においてはこのようにブランドイメージ、ブランド力の影響が大きいので、単に表面上のオンラインショップ、WEBサイトを見ただけで「売れる」「売れない」と言うのは難しいですし、ファッションにはあまり詳しくないので、個々のブランドが認知度が高いのか低いのか? 人気があるのかないのか? についてはまったく評価しうる眼を持っていません。

あくまでオンラインショップのプロの目線として、見て回りやすく、買い物しやすい、したくなるようなお店かどうか? の観点でダメ出し!させていただきます。

と、前置きで散々、言い訳しておきながらの!(苦笑)
「ダメ出し!道場」第108弾 スタートです!(^-^)

第一印象はシンプルでスッキリしたセレクトショップだが


EC仙人 太田

第一印象はシンプルでスッキリしたセレクトショップという良いものですが、個々のブランドを知らない私にとっては、ターゲットがよくわからない…メンズなのか? レディースなのか? キッズなのか? 誰に何を売りたいのか?
というのが正直なところです。

これはある意味セレクトショップの宿命というか、そうなってしまいやすい傾向でもあると思うのですが、あれも、これも、仕入れや展示会などでつい良さそうなもの、売れそうなものに目が行って欲張った品揃えをしてしまい、中途半端な商品構成や在庫状況になってしまう…

ブランドによって長期に人気の定番品が多いブランドもあれば、シーズンごとにどんどん商品が入れ替えになるブランドもあると思うのですが、defiさんではいかがでしょうか?

ブランドカテゴリーメニューが「その他」を合わせて27種類もありますが、在庫は不良化せず、健全に回転しているでしょうか?

おちゃのこショップでは…400商品強? 楽天、Yahoo!では240商品くらい出品されているようですね。

この「差」の中に店長さんの無意識の取り扱いブランドや商品の優先度が表れているのかも知れませんね。

運営が長いお店・会社の特徴でもありますが…
経営者とは欲張りな生き物ですから、長くやっているとどうしても取り扱い商品が増え、ブランドが増え、中には廃れたりもう力を入れられなくなったものも出てくるでしょう。

流行の断捨離ではないですが、こういう機会に思い切って優先度の低い商品やブランドを捨てて、限られた経営資源(仕入れ資金や保管場所など)を優先度の高いブランド・商品に注力するのが良いかも知れません。

「諦める」「切り捨てる」のも経営者の重要な仕事だと思います。
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また、ショップトップページを下にスクロールして見た目の第一印象は、商品サムネイル画像の大きさや余白が気になります。

サムネイル画像のサイズは200×300ですが、余白が多く、実際の商品部分は120から130程度のものが多くなっています。

余白を余裕と捉えるならば、ごちゃごちゃ密集した感じがなくて良いのですが、その分画面全体から比べると肝心の商品が小さくてよくわかりません。実店舗の距離感で言うと、商品棚の目の前ではなく、通りの向かい側から遠めに商品棚を見せられているようなもどかしさを受けます。

これは大きなパソコン画面を主体に店舗設計されているからかな? と感じました。画面サイズの大きなパソコンならまだそれでも商品も大き目に見えると思いますが、スマホ優位になりつつある現在では
【スマホサイト】http://defi.ocnk.net/phone/
でのサムネイルは一層、商品が小さくて、私の画面の大きい方の機種で見ても商品のサイズは1cm四方にも満たない小ささで、正直なんだかよく判りません…

前回のAUDさんもアパレル店でしたが、スマホ画面でのサムネイルでの商品は3cm四方近くあります。
参考:http://www.aud-inc.com/phone/
つまり一覧での一つの商品画像が8〜9倍サイズ。一覧画面の時点で商品の判りやすさが全然違いますね!

それに加えて大きなバナー画像を用意するなどスマホでの一覧性、商品に目を留める工夫は参考になると思います。

過去にも何度も申し上げていますが、一覧サムネイル画面は店舗内において買い物行動の基点になるページです。一覧時点でより多くの情報や比較がしやすいか否かでお客様の滞在時間、離店率が変わります。

まずはサムネイル画像の撮り方、加工の仕方、画像サイズを見直しされることをオススメいたします。

スマホ時代、SNS時代におけるセレクトショップのあり方!?


EC仙人 太田

前回のAUDさんはありとあらゆるSNSに取り組まれていて驚きでしたが、今回のdefiさんでは店舗内の掲示板があるくらいで、特にSNSへのリンクなどは見受けられませんでした。(実際には何かされているかも知れませんが…)

TwitterもFacebookもアメブロもInstagramもLINE@も!…となんでもかんでも手を出して多くやればいい! というのでは決してありませんが、スマホ時代のオンラインショップにおいては、お客様やユーザーの口コミマーケティングというモノはバカにはできません。

メーカー直営のお店では、自社ブランドや自社商品をアピールするだけですが、本来のセレクトショップとは?
まったく別々のブランドのアイテムをお店のセンスでセレクトし組み合わせコーディネートや用途提案することで、商品単品では存在しなかった付加価値を生み出してお客様に気づかせたり感動を与えたりするお店!
なのではないでしょうか?

ブランド別、カテゴリー別という機械的、物理的に分類、一覧した自販機のようなセレクトショップに留まらず、今月の、今週の、今日のオススメコーデ! のようなコンテンツを創り出して、スマホのSNSを活用して情報発信することで話題性を呼び、口コミされていく。

思わず友だちに、知人に、フォロワーに伝えたくなるような商品やお店!

これが スマホ全盛時代の「ヒットの法則」だと思います。

総評

今回は、2週続けてファッション・アパレルのお店だったこともあり、細かく具体的なダメ出しは少な目でしたが、ブランドやセレクトの観点から見てまいりました。

前置きにも述べさせていただきましたが、ファッション・アパレルのオンラインショップの場合は、取り扱いブランドやお店そのもののブランド力の与える影響が大きいです。

defiさんの裏事情、内情も知らずに好き勝手言わせていただくなら、「愛知県日進市で実店舗」…よりも理想は「銀座で、渋谷で、表参道で、もっと言うならLAでビバリーヒルズで! 実店舗を経営してます!」のほうが確実にお店のブランド力はアップしますよね!(^^;)
でも現実はそんなことは簡単にできることではありませんね。

しかしながらネットの中においても地方、郊外に相当する単独店でコツコツと集客、営業するのと楽天やYahoo!などブランド力のある大都市で営業するのは、愛知県日進市と銀座や渋谷のような差はあると思います。

ブランド力のある大都市でのショップ経営は、大きな集客や多くの注文も見込めるかもしれませんが、高い地代・家賃や集客のための頻繁な広告や高価な宣伝手段をとらないと効果が現れにくく、また客層も流動的でお店へのロイヤリティ、ファン度も薄く、リピーターが少ない、つきにくいなどの傾向もあると思います。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。