The REAL MCCOY'S IBARAKI

ザリアルマッコイズ

3つの実店舗それぞれに専用サイトを作成してマルチチャンネルを実現

茨城県つくば市に本社のあるアパレル販売会社の有限会社ステュードベーカーインターナショナルさんは、「ザ・リアルマッコイズ茨城」「デルボマーズ」「ザ・ウォリアーズ」の3軒の実店舗を展開していますが、それぞれにおちゃのこネットのショップがあります。多店舗展開の理由とおちゃのこネットの利点を、代表取締役の佐藤誠司さんに伺いました。

ザ・リアルマッコイズ:http://the-realmccoys.ocnk.net/

デルボマーズ:http://delbombers.ocnk.net/

ザ・ウォーリアーズ:http://the-warriors.ocnk.net/

ザリアルマッコイズ
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ネットショップ開店のいきさつは?

本格的にやり始めたのは今から10年くらい前です。ただし通販の歴史は古くて、ファッション誌での通信販売をかなり前からやっていました。おかげで逆にネット展開が遅くなりましたが、それでもスタートしてすぐに楽天とYahoo!を合わせて年間数千万円の売上がありました。

それが縮小し始めたのがこの5年くらいのことです。パイが大きくならないのに、参入するショップが増えて「送料無料」だとか「代引き手数料無料」だとかの消耗戦に入ったからです。

そこでアクセス数を取るのか、利益を取るのかの二択で悩んだ結果、おちゃのこネットでしっかりと利益を出していこうと決断しました。それが今から3年前のことです。

ぼくらは実店舗がメインの商売をしていますから、ネットショップの目的は売上だけでなく、情報をお客様にお伝えする点もあります。そう考えたとき、おちゃのこネットはいい選択肢だったと思います。

3軒のお店に合わせてネットショップをお持ちですね。

うちの会社は3軒の別ブランドの店舗を持っていて、それぞれに専用のネットショップがあります。効率を考えればひとつに集約させたほうがいいのですが、それだとネットで商品を見たお客様が「これはどこの店舗にあるんですか?」と迷ってしまう。単純に通信販売だけの売上を求めるのではなく、地場に根づいた店舗商売と両立していきたいので、「このサイトのものはこの店舗」という1対1対応で棲み分けさせました。

もちろん、それができたのはおちゃのネットが低コストであることと、サイト構築がしやすいことが背景にあります。そのことは、ぼくらにとっておちゃのこの最大の魅力ですね。

  • ザ・リアルマッコイズ
  • デルボマーズ
  • ザ・ウォーリアーズ

ほかにもおちゃのこネットのメリットはありますか?

3店舗のうち2軒でポイントサービスを実施しているんですが、実店舗と同様にネットショップでもポイントサービスをやっています。そういう独自サービスが展開できるところも魅力です。

うちではポイントの還元率を5パーセントにしています。有効期限も設定していません。それは、アパレルの常識であるセールを行わない代わりのユーザーサービスです。ぼくらが扱っている洋服は、「ミッドセンチュリー」と呼ばれる1940年代から1970年代くらいまでのアメリカンカジュアル衣料を、今の技術で再現したものなので、古くなりません。だからセールでのディスカウントをやらないのです。

各店舗の特徴は?

これはすごくマニアックな部分なので簡単に説明するのが難しいんですが、稼ぎ頭の「ザ・リアルマッコイズ」は、ぼくらがフランチャイズをやらせてもらっている事業体です。

ぼくらのマーケットでは最高スペックの位置にいるメーカーで、海外でも知られていて、アメリカンカジュアルなのにグローバルで認知されているブランドです。

「デル・ボマーズ」は、ぼくが脱サラして24年前に立ち上げたショップで、自分の感性で品揃えをしてきました。

そこから7km離れたつくば市にある「ザ・ウォリアーズ」という店舗は、うちの中である程度ですがリーズナブルプライスで、難しくなく手が出せるもので構成した商材になっています。

このジャンルにあまり関心がない人から見たら全部同じに見えるんですけど、好きな人たちから見れば3店舗すべて味が違うという内容になっています。

ザリアルマッコイズ

社名の由来は?

ステュードベーカーというのは、もともとは馬車のメーカー名で、それがやがて自動車メーカーになって、今でも古いアメ車好きには人気のあるブランドです。でもクルマの名前だから採用したのではなくて、ぼくが海外に行ったときにこの名前の飲食店があって、そこがぼくにとっては楽しい空間だったんです。

そのときの思いがあったので、お店を作ったときに洋服を買っておしまいではなくて、お客様にとって楽しい空間作りをしたいという気持ちで、この社名をつけました。憧れの店は飲食店でしたが、あの楽しい空間をアパレルでも作りたいなと。

脱サラでの起業なんですか?

ぼくは世間でいう脱サラでこの世界に入ってきた人間です。アパレルショップやアパレルメーカーの経験はまったくありません。畑違いの業種から、単に洋服が好きだったということでお店を立ち上げました。

でも、好きだったからある程度商品の知識もあり、すんなり始められたのかもしれません。仕事として新しいことを覚えるのは大変ですから。お客様に情報をお伝えするにしても、お客様が満足していただけるような知識をゼロから身につけるのは簡単ではないと思います。

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リピーター率が高いですか?

土浦市は人口が15万人しかいないんです。古い町ですが規模が小さいので、どうしても地場のお客様のリピートが支えになります。ただ、地元が中心とはいっても、昔は全国誌で通信販売していましたから、認知している方は結構幅広くいらっしゃいます。

だいたい県内全域から千葉、栃木、埼玉、福島など隣接県からは来ていただいていますね。うちは3軒の実店舗が10km圏内にあるので、遠方から来ていただいたお客様がトライアングルで回っていただく楽しみがあるのが強みです。

当面は3軒のお店に目配りしながら全体を伸ばしていくのですか?

ベースをしっかりしながら内容を濃くしていけば、扱っている商品には絶対的な自信があるので、売上は勝手に上がっていくような気がしています。

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集客はどのように?

インターネットの世界が浸透してきても、一番大事なのはクチコミだと思っています。来たお客様に120パーセント満足していただくように心がけています。
また、お客様をがっかりさせないことが大切です。ネットで商品を狙ってくる方が多いので、1点ものの商品は売れたらすぐにネットに反映させます。

新規客の集客に関しては、ネット検索と実店舗をうまく絡めていくことが大事だと考えています。ぼくらが実店舗にこだわっているのは、どんなにSNSが情報源として発展していっても、ファッションの根幹はその町で格好いい人がいて、その人と同じ服、その人と同じスタイルになりたいというところだからです。

だからスナップをWebで発信して、実店舗で実際に商品を見てもらってという地道な活動が必要になります。今はお店に町のファッションリーダーの人たちが来てくれていますが、それはとてもありがたいことです。

ファッション誌のほうはもうやっていないのですか?

たまに、うちと合う企画があるときに掲載をお願いしている程度です。今は本が売れない時代ですが、雑誌はめくっていくだけで勝手に情報が入ってくる媒体です。ネットは自分から情報を探しに行かなければ到達できません。そこの部分に開きがあると思っています。

ただ雑誌の誌面は限られていますから、たくさんの情報は載せられません。そこに関してはネットが担当すればいいと思います。雑誌の役割はきっかけ作りですね。

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ほかにおちゃのこのいいところは?

「店長日記」です。ブログを週に4日から5日更新していますが、その源泉になっているのは創業時からやっている手書きの冊子です。B4の紙を二つ折りして4ページにして、自分たちで絵を描いて、当時はパソコンとかも普及していなかったので手書きで書いて、商品情報とかオススメ商品とかを載せていました。

そのリターンの売上がものすごくて、ただスペースに限りがあるので厳選した情報しか載せられませんでした。それを12年前にブログの形式に移行しました。今はおちゃのこの「店長日記」として継続しています。比較的内容の濃いものになっていると思います。

店長日記を更新すると、「それをくれ」というお客様がいらっしゃいます。スタッフの一人ひとりが感じたことを文章にして写真を嵌め込んでいるので、楽しみにご覧になっているのでしょう。

毎日更新してもいいんですが、毎日更新すると読んでもらえないことがわかりました。でも1日おきの更新だと、読んでもらえるんです。1回のブログを2日、3日かけて読む人が結構いるんだということがわかりました。

ネットショップの運営は何人くらいで?

特別な担当はいません。田舎の町の洋服屋さんなので、アイドルタイムをうまく使って撮影とアップ、出荷をみんなで担当しています。なので1日の内容が濃いですね。

みんなが全部のことをできるというのはぼくのポリシーで、何かに特化するよりは何でもできたほうがいいと考えています。スタッフはぼくのほかに3人です。

忙しいので残業が多そうに見えるかもしれませんが、残業は極力させていません。夜の残業は禁止で、その代わりに朝の早出を許可しています。

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新しい技術への対応は?

恒常的な勉強とかはしていないのですが、売上が伸びなくなったり、アクセスが止まってしまったりしたときに、「なんでかな?」と考えて対応するようにしています。

最近で一番大きな変化は、スマホ対応です。それまではパソコン中心だったのですが、来店されるお客様の9割がスマホでご覧になっていることがわかり、スマホでの見やすさを考えてページ作りをするようになりました。

昔は最初に大きな商品写真があって、下におすすめ商品と店長日記という構成だったのですが、今はおすすめの商品を一番上に出るようにして、その下に店長日記、その下に新商品という構成にしました。さらに下にインフォメーション、最後にお店からの情報という図式です。自分でスマホを使っていて、ユーザー目線で感じたことを盛り込んだ結果、そうなりました。

マルチチャンネルの展開に、おちゃのこは向いていると思われますか?

自分たちの個性を出すプラットフォームとしては、一番いいんじゃないかと思います。それに、失礼ながら値段の割に多機能です。

今はステュードベーカーとは別にアパレルのメーカーも持っているのですが、そこでもおちゃのこネットを使わせてもらっています。ステュードベーカーのページを大きくいじるにはリスクがありますが、そっちのメーカーはいじっても差し支えないので、いろいろ試しています。

「これは取り入れたほうがいいな」と思うことを発見すると、どんどんステュードベーカーのほうにフィードバックしています。おかげさまでグループ全体で、おちゃのこを5チャンネル使わせてもらっています。

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これがあればいいのにということは?

一番欲しいのは検索ヒットですね。リピーターの方は問題ないのですが、楽天、Yahoo!が品切れになってからうちに来られる方も結構いるんです。

どういうことかというと、商品名や商品コードをネット検索して、上位のお店から順に在庫を確かめているんですね。もう少し上位に表示されて、アクセス数がもっと上がってくれれば、もはや言うことはありません。

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※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。