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自社工場で製造したダンボール製品をネット販売

東京都足立区で1954年からダンボール加工と梱包・包装資材を販売してきたパッケージアートさん。歴史のある会社にもかかわらず、販売ルートのメインはネットで、7,000点以上もの商品を全国および海外に販売しています。そして、「本店」は最初からおちゃのこネット。そのあたりの経緯を、専務取締役の小林正彦さんとネットショップを主に担当されている妹さんの小林舞子さんにうかがいました。

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初めからこの社名だったんですか?

1954年の創業当時は「小林梱包」といいました。私の父が1976年に株式会社化して、そのときに今の社名に変えました。
最初は米軍払い下げのダンボール以前の素材だった「厚ボール」をつなぎ合わせて箱を作っていました。そこからのスタートです。
同業者がだんだん増えていきましたが、大量生産の流れには乗らずに、照明や大型ディスプレイなど、梱包に困る製品用のダンボール製造にシフトしてきました。

御社の場合のウリは何ですか?

「用途別」と「豊富な資材をわかりやすく」というところですね。同業他社は規格品をカタログ的に販売しているところが多いのですが、当社ではユーザー目線で用途に合わせた箱のサイズを設定して、時には動画も活用しながら提案しています。オーダーメイドも柔軟に受けています。
この場所で基本的な加工ができるので、小回りが利きます。

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ネットショップを始められたのはいつから?

ネットでの取り組みを始めたのは2006年の終わりくらいです。最初はヤフーオークションでした。ネットで売るというのはどんなものかなと試してみた感じです。同業者の倒産もあり、このままではいけないという危機感もありました。
それである程度の感触が得られたので、「ダンボールもネットで売れるんだな」と自信を持ちました。
サイトを作ったのは2008年です。おちゃのこさんで始めました。ネットショップを始める前に、ホームページやブログを作り、簡単なHTMLタグは独学していたので、抵抗なく入っていけました。

おちゃのこネットを選んだ理由は?

試しやすい価格が大きいですが、わかりやすいことも利点でした。他者さんだとサーバーのこととか、理解しにくかったのですが、おちゃのこさんはわかりやすく、見やすく、そして使いやすかったですね。

現在のネットショップのスタッフは?

全部で5人です。スタート時は私が一人で全部やっていましたが、2009年ころから妹に受注業務を任せ、今はオーダーメイドのコンサルティングとショップ外での営業活動全般が私の主業務です。
受注、梱包、ウェブデザイン、システムスタッフ、各自が連携して動いてくれています。
忙しい時は改善できる点がないかを話し合い、改善に取り組んでいます。

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新商品なども登場しているんですか?

自転車用の箱や額縁用の箱など、オリジナル新商品は随時加えています。
また、展示会用にカラーシートを貼った色つきのダンボールでディスプレイ台を作ったり、ダンボール製の額縁を作って意匠登録したり、ワークショップ用のイスを開発したり、新たな取り組みも積極的に行っています。
2メートル以上の箱を手掛ける一方、大型品の使い方を説明するために、ミニチュア版を作ったりもしています。普段見慣れた形状も見栄えが変わり、「小さくてかわいい」と評判が良いので「ミニ段」として展開を始めています。

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お客様は主に個人客ですか?

引越や収納・発送用に買われる個人さんもいますが、基本はほぼ事業者です。
大企業から個人事業主まで幅広くいらっしゃいます。
オーダーメイドの相談が増えるに伴い、年々B to Bの割合も増えています。

ネットショップでむずかしい面はどんなところでしょう?

問い合わせへの対応です。メール、電話だけで受注することが多いので、意思疎通の部分に気を使いますね。
オーダーメイドのお問合せも、お客様が本当は何をしたいのかを察知して、プロとして最善の提案をしようと心掛けています。たとえばお客様が「ダンボールでやりたい」と言っていても、ベストの解決策が本当にダンボールとは限りません。そこを知るためには、お客様が何を優先してやりたいのかを聞いていく必要があります。
ご要望をお聞きした結果、「これはダンボールじゃないほうがいいな」と思ったときには、どういう資材が適しているかを説明して提案するところまでやっています。

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ネットショップで一番力を入れているところは?

大事なのはわかりやすさだと思っています。できるだけわかりやすい写真を撮るように心掛けたり、商品について細かいところまで情報を載せたりとか。
それでも、重要な説明の文章をなかなか見ていただけなかったりするのですが、そういうときにおちゃのこさんの機能が便利なんです。「こういうことがありますのでご了承ください」というところにチェックを入れて注文してもらう機能です。
これはとても便利で、ほかのモールだと、チェックはあっても必須じゃなくて注文が通ってしまったりするんですよね。

そのほか意識していることは、納期情報です。ご注文を受けたらすぐに出荷予定、お届け予定日をお知らせするようにしています。
というのは、急いでいるお客さんがよくいらっしゃるからです。
実際、昨日も「明日発送できませんか」というお電話がありました。箱とかってわりと後回しになりやすいものなので、気がついたら手配がまだだったりするんですよね。

ネット技術のキャッチアップは?

スマホサイトは割と早くから始めています。おちゃのこさんの場合は共通でやってくれていて楽なので、申し込み自体はすぐやりました。レイアウトを整えたりとかは、それから徐々にですね。
当社は、「効果があるか考え、あればまずは試してみる」という姿勢です。

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チェック機能のほかに、おちゃのこの便利なところは何かありますか?

商品ごとに配送方法やお支払い方法が選択できるところです。ほかのモールだとできないところがあります。
たとえば代引きができない商品を代引きで購入されてしまうと、都度ご連絡を差し上げなければならなくなります。この機能はわりと最近つけられたと思うのですが、「待ってました」という感じでした。そのおかげで受注作業の時間がずいぶん減りました。こういう機能が追加されるとこちらも楽になるので大歓迎です。

おちゃのこネットに要望は?

「品物ごとに重量を決めたい」というのがあります。商品の選択で重量が変わってしまうことがあるので、送料の計算が合わなくなってしまうケースが出てくるんです。
「この商品のこれを選ぶとこの重さ、これを選ぶとこの重さ」というようにできれば、同じシリーズの商品をひとつのページでシンプルにすませることができます。そうなれば、もっと楽になっちゃいますね。
あとは同じく送料の計算なんですけれども、Aの商品とBの商品を一緒に買ったときに、形の違いで同梱ができないことがあるので、形の違いで同梱ができない場合は別の梱包というか、送料が別にかかるような設定になったらいいなと思っています。
当社は特殊な形状の商品がいろいろあって、ギターの箱のように薄っぺらいんだけど細長いとか、そういう商品を同時に注文された場合の送料計算が厄介なんです。

今後はどんな展開を予定されていますか?

今後は既製品に「オリジナル要素を付け加えたい」という要望が増えると考えています。
いろいろな要望に応える新しい商品を作ったり、資材を組み合わせた提案の幅を広げるなど、コンサルタントとしての知識を社内で共有しながら増やしていきたいですね。
依頼者との意思疎通もよりスムーズに行なえるように整えていきます。

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※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。