Vol.72022.5.16
わんこのうなぎせんべい

食品ロスと愛犬の健康を考えるわんこのうなぎせんべい

サスティナブルな商品として浜松のうなぎをつかったペットフードを発売

うなぎの街 静岡県浜松

うなぎの街 静岡県浜松
平均水深5mと浅い浜名湖は天竜川から豊富な栄養分が流れ込む

浜松市で国産無添加ペットフード販売をされているねこのて商会の永井さんを取材しました。

静岡県浜松市はうなぎ生産量の多い街として有名で、2019年の調査では静岡県のうなぎ生産量は国内4位となっています。浜名湖でうなぎの養殖が始まったのは明治20年代と言われていて、浜名湖の近くにある養殖池で行われました。浜名湖や天竜川周辺でうなぎの稚魚がたくさん取れたこと、浜名湖周辺が温暖で、交通の便も良かったことから、本格的な養殖へと発展していきました。昭和に入り、浜名湖周辺を中心とした静岡県のうなぎ生産量は最盛期に全国の約7割を占めるようになり、その後は全国各地養殖技術が普及していきました。

また、うなぎは栄養面においても注目される食材で、体の抵抗力を高めるビタミンA、疲労回復を助けるB1を多く含み、食欲を増進させ、夏バテを解消させる効果があることはよく知られています。

一方、生産量とともに廃棄される部位に注目し、食品ロスにつながる商品開発が各社で進められています。浜松市に拠点を構える、ねこのて商会は2020年にペットフードの販売を開始。同時におちゃのこネットでオンラインショップを開設しています。

この春、ねこのて商会は廃棄されるうなぎの骨を使った「わんこのうなぎせんべい」を商品企画、販売していました。今年3月に発売してすぐ、ワンちゃんのためのお菓子として、インスタグラムのフォロワーから高い評価を得ています。

きっかけはご飯を食べなくなった愛犬

ねこのて商会の永井さんは2匹の雑種を飼い始めて10年経った頃、ある日1匹が亡くなってから数日後、もう1匹が突然ご飯を食べなくなってしまいました。これまでのドックフードが口に合わなくなってしまったのかと、様々なメーカーのご飯に変えたり、おやつを混ぜてみたり、試しているうちにささみやボイルしたもの、焼き魚なら食べるようになりました。そこへ、無添加の国産ドックフードを製造している企業との出会いがあり、そのメーカーが販売しているペットフードをあげると、愛犬は積極的に食べてくれるようになり、毛並みも良く、散歩にも出掛けることができるようになりました。前にドックフードを食べなくなった理由は不明のままですが、ドックフード選びが愛犬の健康に強く関係していると考えるようになりました。

愛犬

廃棄されるうなぎの骨に注目

ペットフードのネット販売を開始した当初は仕入れ商品の販売のみでした。「わんこのおせんべい」シリーズとして、ブロッコリー、モロヘイヤ、紫いも、人参、かぼちゃ、トマトの6種類を仕入れ販売しています。そして、永井さん自身が企画した商品として、うなぎせんべいがシリーズに加わりました。うなぎは非常に栄養価が高く、浜松ではうなぎの廃棄材料が手に入りやすいことが大きな理由。すべてが国産の材料を使っており、うなぎの骨パウダー、北海道産の鮭、無農薬自然栽培じゃがいも澱粉、自然栽培の米ぬかを使用しています。アレルギーにも対応しており、塩、砂糖、油、小麦、乳製品、卵は使用していません。 また、伝統的なせんべいのメーカーで生産されており、人用のせんべいの基準で生産管理しています。パウダーの配合量、においの調整を行い、商品企画から量産品まで約2か月で完成しました。

うなぎせんべい
うなぎせんべい
6種類のわんこのおせんべい
6種類のわんこのおせんべい

無添加の良質の素材にこだわる飼い主さんに訴求

ねこのて商会の永井さん

2022年3月に販売開始し、主にインスタグラムにて告知。素材にこだわりのある飼い主とのつながりに加え、おせんべいを製造しているメーカーさんのファンの皆さんにも届いたことで販売が好調。また、地元商工会議所のプレスリリースを実施し、さらに認知拡大のために、犬と一緒に過ごせるカフェでの販売、展示会への出店を計画しています。着実に商品の認知拡大とファン作りのための具体的な作戦が明確になっています。

ペットに対する思いは、愛犬との体験が元になっていますが、それがいまの商品企画の礎となり「ちゃんと食べて元気に長生きして欲しい。」という永井さんの強い思いになっています。今後の商品展開として、「犬によっては口臭や体重管理が必要になる。それぞれの悩みを助けるサプリ的な食事を作りたい」と次の商品企画への意気込みを語ってくれました。

こだわる飼い主さんに訴求

ペットフード業界にもSDGsの時代がやってた

国内では食品ロスは環境に配慮した取り組みとして重要なテーマであり、SDGsの取り組みに含まれるものです。SDGs(Sustainable Development Goals)とは持続可能な開発目標という意味で、環境負荷に考慮した様々な取り組みを指しています。最近、国内でもSDGs商品を積極的に取り扱う企業が増えており、SDGs商品を製造販売している企業への積極的な投資が進んでいます。これまでの低価格、大量生産の商品開発から環境負荷を考慮した商品開発の時代へ移行すると思われます。これからの時代の商品開発にはSDGsの視点が不可欠だと言われており、ネットショップ運営において、重要な要素の1つになっています。

SDGs(エスディージーズ)とは?(わかりやすい解説ページ)
https://imacocollabo.or.jp/about-sdgs/
SDGsとは?外務省による解説ページ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。