Vol.42022.1.20
字がうまくなる魔法のザラザラ下じき

特許技術から生まれたヒット商品字がうまくなる魔法のザラザラ下じき

わずか1週間で販売数1000枚の大ヒット。どのようにして新発明が誕生したのかどんな未来を描いているのかお話を伺いました。

紙の表面にデコボコをつける印刷技術をもつ会社

plus orange:https://www.plus-orange-onlineshop.com/
できるびよりオンラインショップ:https://www.office-sunny.shop/

名刺や封筒、チラシやパンフレットなどを作成する町の印刷屋さんとして事業をされる中、ネット印刷の普及により価格競争が激しくなっていきました。生き残りを掛けて、何か新しいことに挑戦せねばいう思いの中、ある日偶然ラジオで「バーコ印刷」という印刷技術を聞いたそうです。これは紙の表面にデコボコを付ける技術で、当時品質にムラが出るということで、日本ではあまり根付かなかった技術でしたが、逆に面白いとういことで、さまざまな試行錯誤の結果、紙を皮革素材のように見せるアイデアと技術で「革のような紙のブックカバー」を制作。さらにこの印刷技術を発展させ、生み出した独自ノウハウで特許取得をし、さまざまな紙雑貨をデザイン・製造・販売されている会社です。

現在、ブックカバーなどの紙雑貨「plus orange」、魔法のザラザラ下じきを扱っている「できるびより」の2つのショップをおちゃのこネットで開設いただいています。

きっかけは「バーコ印刷」という技術

紙の表面に凹凸を付けるバーコ印刷は、アメリカではグリーティングカードなどでよく使われている印刷手法。この技術を使って何か質感のある商品が作れないかと模索した結果、ヘビ革やワニ革のような風合いの紙雑貨を製造、販売をはじめたのが最初。当時は実店舗も運営されていて、テレビでも紹介されるほどの人気があったそうですが、趣味性の性質をもつ商品なので、紙雑貨だけで長く商売をやっていくのは難しいということで、子供好きの社長が兼ねてから興味のあった教育や福祉の分野でバーコ印刷の技術を活用できないかと考えたそうです。情報収集を行う中で、産学連携の話があり、作業療法士の先生から学習障害や発達障害のお子様向けの文具に使えるかもしれないというアイデアが出てきました。

子どもの文字が整わない原因は主に4つ

「魔法だよね!」という子供たちの声

子供は4歳頃から字を書くことに興味を持つと言われていますが、例えば鉛筆が紙の上を滑ってしまうことで、字がうまく書けないといった悩みがあります。一方、ザラザラした面を持つ下じきを敷くと、紙と鉛筆のあいだに生じる摩擦が振動になって手指に伝わることことで、うまく字が書けるようになります。そこで、紙以外の素材にも凹凸を印刷できる印刷技術で作ったザラザラ面の下じきを使って、子供たちに字を書いてもらったわけです。どうやら程よい抵抗のおかげで、鉛筆の運びが良くなり、筆圧調整をサポートしてくれるようで、「いつもより上手に書けた!」と感じる子供たちの声が増えました。検証に協力してくれた小学校の子どもたちの「魔法みたい!」という言葉から、「魔法のザラザラ下じき」という商品名が決まるのでした。

魔法のザラザラ下じきのしくみ
魔法のザラザラ下じき(特設ページ)
https://dekirubiyori.com/lp/shitajiki/

1週間1000枚の受注でヒットを確信

魔法のザラザラ下じき

子供好きの高橋さんの想いである、字を書くことに苦手意識のある子どもたちの「できた!」を応援するアイデアが実現した瞬間でした。2021年2月にネット限定の販売が決まり、Twitter投稿での反響がかなりのもので、新発売のお知らせをして間もなく、投稿がリツイートされ、購入されたお客様からもたくさんのご連絡をいただいたそうです。そして、わずか1週間で1371枚を販売。予想を上回る反響があり、一時期品薄になりましたが、できるだけお客様のもとに届けられるように増産体制と取ったとのことです。それと同時にお客様の声にB5サイズの下じきが欲しいという声が大きくなったそうです。

ランドセルはだいぶA4サイズ対応のものが普及していますが、学校で使っているノートはまだまだB5が多く使用されていることがわかりました。お客様の声を可能な限り拾い上げながら、A4の発売から約1か月半後にB5サイズの販売も開始。スピーディーな判断でお客様の期待に応える形で実現しています。

商品のヒットでつながった展開

Twitterや各種メディアで話題が広まっていく中、システム手帳をはじめとする文房具のメーカーであるレイメイ藤井でのOEMが決まり、「先生おすすめ 魔法のザラザラ下じき」として、既に販売開始されています。また、雑誌・家庭画報を出版している世界文化社とは、魔法のザラザラ下じきを含むすべての教材商品の販売協力が決定。日本中の幼稚園・保育園への販売ルートを確保しました。魔法のザラザラ下じきは国内だけでなく、世界でも通用する商品力をあると評価が高く、知的財産をしっかりおさえながら、展開されるということです。

凹凸書字ドリル

夫婦の圧倒的な会話量がヒットを支える

plus orange できるびより

お客様のニーズを的確にこたえることでヒット商品が生まれると言うのは易し。実際ここまでの道のりはかなり大変だったようです。町の印刷屋からスタートし、価格競争に巻き込まれる環境の中で、生き残りを掛けて、紙雑貨の世界に転身されたわけですが、現実は厳しく、よりニッチな教育の分野に注目されました。ニッチ故にかなり勇気のいる決断だったのではないかと想像します。それでもここまでたどり着けたのは、高橋さんご夫妻のコミュニケーションに支えられているのではと感じさせられます。インタビューの前半は奥様に対応いただいていましたが、後半は社長であるご主人も参戦。そこからまるで化学反応が起きたかのように、夫婦漫才が始まりました。高橋ご夫妻いわく、食事中でも商品アイデアや販売促進の話題が尽きないんだそうです。ご夫婦の圧倒的な会話量、エネルギーの高さがヒット商品を生み出す原動力になったのではないかと感じるほどでした。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。