Vol.32021.12.27
招福猫子まんじゅう

ネット販売で2か月待ち 招福猫子まんじゅうの魅力を探る

創業100余年 三代続く飛騨高山の老舗和菓子店の名作

明治34年に創業した飛騨高山の老舗和菓子

稲豊園 (とうほうえん):https://tohoen.com/

初代が勉強のため東京に行った際、美味しいお菓子に魅了されたことがきっかけで稲豊園を創業。二代目は終戦後に店を再開するも、砂糖などの供給がストップしたことでお菓子を作ることができず、玩具店や花屋をやっていたそうで、その後、粘土細工のような造形もののお菓子が流行り、花屋での経験がお菓子作りに役に立ったようです。現在の三代目は新しい和菓子の開発を手掛け、新しい稲豊園ならではの時代に合った和菓子を生み出されています。

2019年にお取引されているWEB制作会社のご紹介でおちゃのこネットでネットショップを開設いただきました。

稲豊園 (とうほうえん)実店舗

きっかけはお店の近くで遊んでいた猫

お店の近くで遊んでいた野良猫が商品化のきっかけとなったそうです。毎年秋から年末にかけて繁忙期となり、ひと息ついた仕事納めの宴会時に野良猫の話題になったそうです。その場で野良猫を模したまんじゅうの商品アイデアが沸き、具体的に商品化へと進んでいきました。宴会の場にデザイナーの方もいらして、より具体的なイメージができあがり、仕事納めの宴会が作戦の場になったんだそうです。

伝統と新しいアイデアの衝突

商品のコンセプトは商品名にあるとおり「幸福」。そして、誰もが笑顔になる猫子のデザイン。老舗の和菓子屋にとっては非常に面白いアイデアですが、和菓子の世界には伝統があり、味はもちろん、材料選定や作業工程など守るべきものがたくさんあります。猫子まんじゅう以外の和菓子の商品開発においても、伝統と新しいアイデアの間で数々の衝突があったそうです。中田さんのお仕事の1つには、このような建設的な衝突をうまく取りまとめ、チームがまとまるように舵取りされている印象を受けました。

猫子まんじゅう
ぷにぷに肉球餅入り猫子まんじゅう

猫子まんじゅう ふむふむお客様の声から実現した
ぷにぷに肉球餅入り猫子まんじゅう

コロナの終息を願ったマスク猫子のまんじゅう

ころにゃ~ん 打倒コロナ!
コロナの終息を願ったマスク猫子のまんじゅう

ネット販売で2か月待ちの行列

招福猫子まんじゅうの発売開始と同時にプレスリリースを配信。その直後に新聞、雑誌、テレビなど様々なメディアから取材依頼が殺到。SNS投稿の口コミにも火が付き、ネット発売からまもなく、なんと2か月待ちの行列になりました。中田さん曰く、発売当時のネコブームも相まって、話題が加速したのかもしれないとおっしゃっています。

そして、招福猫子まんじゅうは次のステージへとつながります。例えば、結婚式で使いたいというお客様の問い合わせがあり、新郎新婦が料理人、看護師のお二人ということでそれぞれの職業を模した和菓子のオーダーメイドのご依頼があったそうです。その他には、剣道の卒部会、猫ちゃんのお葬式、そして、JRAの馬を模したまんじゅうの製作依頼へと大きく広がっていきました。

新型コロナの影響が収まってから、飛騨高山には修学旅行が増え、店頭で招福猫子まんじゅうを購入される方は増えているようです。また、若い男性お一人様の購入も増えてきており、一般的な老舗和菓子と違う、若いお客様にも十分認知されていると言えると思います。

馬のまんじゅう

馬のまんじゅう

料理人と看護師の新婚さんのまんじゅう

料理人と看護師の新婚さんのまんじゅう

自分ひとりで出したアイデアはベストではない

伝統として守るべき味、食感を大事にしながら、ちょっとでもバズって欲しいなあという気持ちがあり、飽きられないような工夫を常に意識されています。例えば、5種類のまんじゅうは味がそれぞれ異なるので、食感もそれぞれに合うように細かな調整がなされています。

稲豊園

稲豊園には家族4名、従業員9名いらっしゃって、新しいアイデア出しに全員が参加できるような環境作りを心掛けていらっしゃいます。「自分ひとりで出したアイデアはベストではない」という中田さんの言葉の通り、風通しの良い環境で、関係者全員がお客様に喜んでいただける商品を作り続ける環境、飽きられないのような話題作り、和菓子の伝統を守り続けるといった、まさに人、アイデア、環境の3点が良い商品作りにつながっているのではないかなとインタビューを通して感じました。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。