Vol.52022.2.21
香りのある新しい絵の具ブランド「香の具」

髙橋商店の「和風万能だしやすまる」

テレビで紹介後に注文殺到!

「和風万能だし やすまる」を製造販売している髙橋商店の取締役常務 三井さんにヒットのきっかけから今後の展開についてインタビューさせていただきました。

やすまるだし誕生のきっかけ

瀬戸内は海産物の宝庫と言われており、なかでも「いりこ」が有名です。関東では煮干し、関西ではいりこと呼ばれている鰯(いわし)を煮て干したもので、和の食卓には欠かせない食材のひとつ。創業者であり、現会長である髙橋泰征さんは、いりこの頭とハラワタを取り、手間暇かけて出汁を取る忙しいお母様の姿を見て、少しでも楽にしてあげたいと思い、誰でも手軽に出汁が取れる出汁パックを商品化しました。それが「和風万能だし やすまる」の始まりです。

2004年に髙橋商店として、愛媛県のマンションの一室で創業。当時、髙橋さんは自身の知り合いに使ってもらおうと、三輪車での手売り販売からスタートしました。その後、愛媛県の観光地である道後温泉の商店街で出汁が試飲できるお店を出店。知り合いだけでなく、観光客にも知ってもらう作戦が功を奏し、お土産としての購入を糸口に、FAXやネット通販でも購入していただけるようになり、販路が次第に拡大していくこととなりました。

2010年にはおちゃのこネットでオンラインショップを開設いただいており、和風万能だし やすまるがご購入いただけます。

きっかけはテレビ番組

人気に火が付いたのは2011年11月。TBSの情報番組『はなまるマーケット』で紹介されたのがきっかけです。番組で紹介されたのは、まぐろ、かつお、いわしなど8つの食材の旨味が凝縮した「極上海鮮だし やすまる」で、味わった出演者全員が大絶賛。この番組紹介をきっかけにFAXの注文が殺到し、あまりの注文数にFAXが故障するという事態になりました。実のところ、当時の業務環境はベストとは言えないものだったそうで、そこにテレビでの紹介による大量注文という大変な状況に対して、スタッフの皆さん一丸となって、なんとか乗り越えたということです。
その後、これまでの地道な営業活動とテレビ紹介による話題性のおかげで、やすまるだしを扱っていただける量販店が徐々に増えていき、一時的な注文ではなく、卸売が販路の柱として加わり、新たなステージへと事業展開しました。
量販店では髙橋商店スタッフが店頭に立ち、商品の良さを直接お客様に説明することを大事にしているそうです。出汁の試飲でまず味を知っていただき、使い方やおすすめレシピなど詳しくご案内する、あたたかい対面接客のおかげで多くのお客様にご購入いただけています。

出汁のアンバサダープログラム

お客様とのつながりは、対面接客だけではなく、インターネットも活用しています。そのひとつが、アンバサダープログラムです。インスタグラムやYouTubeなどで料理コンテンツを投稿しているユーザーをアンバサダーとして迎え、企業による宣伝とは異なる情報発信を行っています。こういった活動に力を入れている企業は出汁の業界では珍しく、他社と比較してもインフルエンサーによる情報発信が充実しています。

出汁のアンバサダープログラム

キッチンカーの誕生

キッチンカーの誕生

新型コロナウイルスによる人の移動制限は飲食店に大きなダメージを与えました。お客様が外出しにくいなら、こちらからお食事を提供しに行こうと、2021年6月に「日本に元気をお出しする」をテーマにキッチンカーのサービスを開始。この試みはNHK、愛媛朝日テレビ、南海放送の番組で紹介されました。また、大規模災害が発生した場合、避難所でキッチンカーによる炊き出しを行うことも想定しており、愛媛キッチンカー協会と「災害時のキッチンカーによる炊出実施等に関する協定」を結び、松山市役所で行われた災害時炊き出しのデモンストレーション式典に参加しています。

多様化する情報収集

お客様のご要望を元に、日々商品開発を進めています。最近では健康に配慮した要望が多いことから、減塩無添加の「贅沢ローストだし やすまる」を商品化。また、粉末ではなく味の調節が簡単な液体だしや、コロナ禍以降、ニーズが高まったキャンプ向け商品等、変化するライフスタイルに合わせて、新商品展開を進めています。お客様からご要望をいただく窓口も変化しており、LINEや各種SNSを通じて商品に対するご要望をいただくことが増えています。

「髙橋商店 LINE公式アカウント」
「髙橋商店 LINE公式アカウント」QRコード
簡単にLINEで注文ができる
「髙橋商店 LINE公式アカウント」

攻めの姿勢が大切

実は創業者である髙橋さんはボクシングの日本チャンピオンという異色の経歴をお持ちで、その頃に培った日本一になるという信念は今もなお続いており、出汁パックメーカーとしても、日本一を目指しています。スタッフによる対面接客を重視しつつも、インフルエンサーによる情報発信力にも注目し、新型コロナウイルスによる閉塞感を逆手に取りキッチンカーのサービスを開始するなど、世の中の動きを冷静に観察しながら、新しいことにチャレンジしています。また、シンガポールや韓国の日系スーパーへの販路開拓も進めており、今後は中国にも展開する予定だそうです。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。