Vol.102022.8.22
アドレスラベル

ペーパーレス時代でも根強いアドレスラベルというおもてなし商品

販売開始から20数年。根強い人気の秘密を探ります。

米国在住の身内がおしえてくれたアドレスラベル

アドレスラベル:https://www.brain-systems.co.jp/

1990年代後半頃、米国に住んでいた創業者の身内に教えてもらったのがきっかけ。それは国内にはなかった雑貨アイテム「アドレスラベル」でした。インターネット環境はもちろんパソコンも現在のように普及はしておらず、手書きの手紙に多く利用されていました。そのような時代において、宛名を印刷し、シールにしたアドレスラベルは米国では人気になっていて、同じように日本に輸入すれば、話題になるのではと考えたのです。その予想は当たり、米国独特のデザインが斬新かつ新鮮に見え、瞬く間にヒット商品となりました。

1990年代の日本国内において、百貨店は強い販売チャネルであり、各店のバイヤーも気づいたいなかったアドレスラベルの存在は、多くの引き合いを作り出しました。特設ブースでは、その場で住所印刷して、お客様に販売するといった方法でも対応していて、1日100万円ほどの売上をあげるほどの盛況ぶりでした。

また、当時はカタログ販売が根強かったこともあり、店頭にあるカタログを手にしたお客様からFAXで注文を受けるといった方法もありました。まだ、ネットショップがほとんどなかった時代には電話やFAXなどで注文を受けていたなんて想像すると、時代の変化を感じます。現在ではおちゃのこネットをご利用いただいています。

商品の性質上、オーダーメイドで注文を受ける必要があり、最も使いやすいという理由でおちゃのこネットをお選びいただきました。

洗練されたデザイン

宛先はシールが良いというニーズの発見

どんなにインターネットが普及しても、ペーパーレスが進んでも、手書きの手紙が残るものだと思いますが、だからと言って、すべてが手書きで良いという訳ではなさそうです。自分の気持ちを記した手紙そのものは手書きですが、宛名や住所は印刷物の方が良い人が多いんだそうです。アンケート調査したわけではないので、明確な理由はわかりませんが、印刷してしまうことで、書き間違いを防ぐといった配慮があるのかもしれません。アメリカでは30年以上前からデリバリー等の配送に、わざわざ手書きしなくて済むこのアドレスラベルがよく使われていたそうです。

いずれにせよ、どんなに手書きが好きな人であっても、宛名は印刷物が良いというニーズを発見したことです。それなら無機質な印刷物よりも、もらって嬉しいデザインを施したラベルの方が良いということでヒットにつながっています。このニーズの発見が販売開始から20年以上経過するも、根強いファンがいる理由のひとつになっています。

幅広い使い道へ発展

幅広い使い道

アドレスラベルの生まれた欧米では、クリスマスカード、配送ラベル、小切手などが主な利用目的でしたが、現在の日本では、お手紙の差出人シールの他、メッセージ印刷でラッピングにしたり、軽い添え状のような形で広がってきています。

フリーギフトという口コミ作戦

インターネット上の口コミという点において、アドレスラベルには決定的な弱点があります。それは個人情報が印刷されているので、どんなにデザインが素敵でも、実物を写真に撮って、SNS投稿されることがほとんどありません。そこで生み出された作戦が「フリーギフト」。

フリーギフト

アドレスラベルを購入したお客様にプレゼントとして、便箋や自在に使えるラベルをお届けする作戦です。時々フリーギフトの内容が変わるため、フリーギフト目的でアドレスラベルを購入するお客様もいるほどです。もちろん、フリーギフトは個人情報が記載されていないアイテムですので、口コミの発生源となっていて、リピーターと口コミの両方を獲得するための仕組みとして確立しています。前述の「宛名は印刷物の方が良い」や「フリーギフト作戦」はお客様の気持ちを汲み取った見事な作戦だと思います。

売れ筋商品について

お客様は40代以降の女性が多く、お洒落でエレガントなデザインが人気です。いくつか人気商品、イチオシ商品を教えていただきました。

カップのデザイン
クリスマスリースのデザイン
パステルカラー 可愛いベビーアニマル♪

カスタム商品だからこそお客様に力を入れる

アドレスラベルはお客様が指定する宛名を印字して販売するカスタム商品です。そのため、細かなご要望をいただくことがありますし、それゆえのお客様による入力ミスなどが発生してしまいます。少しでも疑問に感じることがあれば、お客様に確認を取り、場合によっては、お客様の想定以上のご提案を差し上げることもあります。ひとつひとつ、とても手間の掛かる作業ですが、そのお客様視点に立ったショップ運営のおかげで20年以上もご利用するお客様がいます。ショップ外観から決して見ることができない、きめ細かいお客様対応が永続性のあるサービスにつながっています。

代表 荻原さん

今後はソーシャルメディアに注力

インスタグラムからの反響が高いため、今後はインスタ投稿をショップへの入り口として、注力していくとのことです。具体的にはインスタグラムのショッピング機能である「Shop now」の新設です。これが使えると、インスタグラム投稿の閲覧からネットショップへの遷移がスムーズになり、購入機会を増やすことが可能になります。

アドレスラベルのインスタグラム(ブレインシステムズ社)
https://www.instagram.com/brain_systems/

Shop nowとは
インスタグラム投稿に商品名や値段が表示されたショッピングタグを付与できる機能。 ECサイトの商品購入ページのリンクを埋め込むことができるため、お客様は気になる商品があれば、そのまま商品購入ページへ遷移して購入を行うことができます。

フリーギフト作戦と組み合わせることで、口コミが起こせる集客メディアとして確立、shop nowによるインスタグラム投稿とネットショップのシームレス化、そして、手厚いお客様フォローによる今後のサービス拡大がとても楽しみです。取材対応いただきましたブレインシステムズ松本様、ご協力ありがとうございました。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。