Vol.22021.11.26
香りのある新しい絵の具ブランド「香の具」

香りのある新しい絵の具ブランド「香の具」

東京ビジネスデザインアワード優秀賞後商品化された「香り」の文具

キャンドル専門メーカーから新会社設立

ブランドサイト:https://kanogu.tokyo/

グループ会社の東洋工業は昭和33年設立のキャンドル専門メーカーで、結婚式場のキャンドルや葬儀関係のローソクを主に製造しており、2004年頃からはアロマキャンドルも事業の一つの柱となってきました。アロマ商品の需要の高まりから、アロマ・フレグランス事業を中心とした新会社 GRASSE TOKYO を設立し、香りの専門家として事業展開されています。

香の具の販売よりも前の2013年におちゃのこネットでネットショップを開設。香りに関する雑貨やボディケア商材、キャンドルの製造技術を生かしたキャンプ用品などを取扱いされています。

きっかけは東京ビジネスデザインアワード優秀賞

東京ビジネスデザインアワード優秀賞

誕生のきっかけは2018年に開催された東京ビジネスデザインアワード。アロマの事業を手掛けていること、そして新たなアロマ商材を広げたいという想いからエントリーされたということです。「香りの魅力を楽しく学ぶプロダクト」で優秀賞を受賞されたあと、スピーディーな商品化を進め、2019年10月に「香の具」が誕生しました。絵具に使われている水性顔料と香り成分の入った精油をブレンドしたもので、各種メディアから注目されているプロダクトです。

コンセプトは「未知の香りに出会う体験」

海外に比べると、日本は香りの文化が根付きにくいと言われています。小さい頃に絵具の黄色と赤色を混ぜて、オレンジ色を作り出すという経験がありますが、香りを混ぜることで新しい香りを作るという経験がほとんどありません。「香の具」には香りを学ぶ機会、そして香りをブレンドして「未知の香りに出会う体験」というコンセプトがあります。

香りを学ぶ機会
未知の香りに出会う体験

SNS投稿で火が付く。そして海外展開

発売と同時にプレスリリースを配信。新聞、雑誌、WEBなど各種メディアに取り上げられたことで認知度アップ。さらにSNS投稿でより文具好きへのリーチに成功。当初想定していた子供だけでなく、文具好きというコミュニティに火がついたことで、加速的に認知が広がっていきました。現在では、GRASSE TOKYOオンラインショップ以外に東急ハンズなどの店舗でも購入することができます。また、香りに関する商品は古くから海外需要が大きく、中国、韓国、台湾、香港、シンガポールのアジア圏、米国で既に取り引きがあり、今後は更に海外展開にも注力していくということです。

未知の香りに出会う体験

そのまま飾っておきたくなる小瓶タイプ

今取り組んでいる新しい商品

香りの事業と並行で展開しているキャンプ用品としての着火剤やオイルランタン用のパラフィンオイルを手掛けられています。着火剤はアロマ芳香剤の竹製リードスティックを製造する加工所で廃材として出る竹のおが粉を中心にアップサイクルし、資源として生まれ変わらせることで商品化しました。新型コロナ以降、キャンプ用品の需要が増加し、香りの事業およびキャンドル製造を柱とするグループ会社の強みを生かして商品ラインナップを強化されているということです。

ファイヤースターター TAKENOKO

商品作りで大切にしていること

まずは「自分が欲しいと思えるもの、身近においておきたいもの」を中心に考えていらっしゃいます。また、東京ビジネスデザインアワードをきっかけに香の具が誕生したように、会社の内側だけでなく、「外からのクリエーションが必要」だということです。「自分たちにはない新しい風が入る」ことで、ヒントに気づき、これまでにないチャレンジをすることができると考えてらっしゃいます。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。